【JRE-BIM最前線/一般化とその先へ(下)】点群技術の高度利用/受発注者が知見合わせ最先端へ
計画段階から一気通貫でBIMを使用するモデル事業としてJR東日本東京工事事務所が進めている「横須賀線武蔵小杉駅2面2線化事業」が、施工段階に入った。360度カメラなどで撮影した画像を基に点群を生成し、3Dモデルとの合成や時系列管理が可能な『Reconstruct』を試行導入し、検査や立会いの遠隔化、維持管理の記録ツールとして効果を検証しながら、施工者の大林組とBIMの高度利用を進めている。同駅の2面2線化は、現在の島式ホームに下り線ホームを新設し、上下ホームを分離する。JR東日本と大林組の双方がBIMやICTを試行するモデル現場に位置付ける。
![](https://mirai.kensetsunews.com/wp-content/uploads/2022/03/201127_1.jpg)
■点群で業務を遠隔化
『Reconstruct』は、米国イリノイ州立大学の研究から派生したReconstruct社が開発した点群生成アプリケーションで、撮影した画像から自動で点群化(SfM技術)し、クラウドで管理する。
試行中の出来形検査の遠隔化では、現場で組み立てた鉄筋かごを360度カメラで撮影する。点群データから鉄筋の間隔や本数を確認し、従来の現地確認と精度などを比較する。JR東日本東京工事事務所神奈川工事区の中山泰成助役は「一度画像を撮影し、点群データを生成すれば後で細部を検証できる。工場製作のプレキャスト部材の遠隔検査にも有効だ」と期待する。
検査や出来形計測記録、報告書を点群とひも付けし、施工履歴を蓄積するプラットフォームとしても検討する。
ほかの記事はこちらから
【B・C・I 未来図】2021年以前の記事はこちらから
建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら