【年度明けに受講者募集】データ処理加工を内製化 関東整備局がICT施工研修会を開催
関東地方整備局は、地域建設業におけるICT施工の知見底上げを狙う研修会を2021年度からスタートする。キーワードはデータ処理加工の“内製化”だ。受注者から外注による「費用が高額」「施工工程に影響を受ける」などの声を受け止め、新たに『ICT計測研修』を開くことにした。20年12月に認定した同局のICTアドバイザーの中から講師を迎え、実地や実技の研修を2日かけて行う。21年度開けにも受講者の募集を開始する。
![](https://mirai.kensetsunews.com/wp-content/uploads/2022/02/210312_1.jpg)
同局は20年度、ICT施工コミュニケーションを主眼として取り組みを進めてきた。ICT施工の活用実績がない企業に技術支援する3Dチャレンジ型の試行、疑問や相談について技術者、発注担当者が専門的に回答するメールセンターを開設。
さらに地域の施工者や発注者が持つ活用時の疑問点、技術選定の課題などに対する助言、技術的指導によりICT施工の普及を加速する役割を担うICTアドバイザーを認定した。
21年度は、次のステップとして関東技術事務所(千葉県松戸市)を会場に主に職員向けに開催してきた研修会を充実・強化する。
既存の研修会を管内地方公共団体などにも開放するとともに、新たに施工者向けに特化してICT施工の内製化や実物で体験できる研修会を複数用意する。
このうち、ICT計測研修は、施工者自らが3次元データを作成・加工できるように社内の技術者の育成に寄与できる内容とする。多くの施工者が3次元データについて、専門業者に外注していることなどに対応する。
より実践的な研修とするため、ICTアドバイザーから講師を募集・選定する。ゼネコンやソフトベンダーなどを選ぶ予定だ。
機材は、最新の機器(地上型レーザースキャナー・高性能グラフィックボード搭載PCなど)を活用。ソフトは最新の3次元出来形ソフトについて講師を務めるICTアドバイザーから提供を受ける。実習専用の盛土も設置する。
研修会は、▽起工測量▽3次元データ作成▽ICTを用いた施工▽出来形管理▽検査–のICT施工の一連のステップのうち、施工を除いた部分を体験できる。
このほか、21年度の施工者向けの研修会として、マシンガイダンス搭載のバックホウを使った『ICT施工研修』のほか、無人化施工ステップとしてハイビジョンカメラを搭載したバックホウの施工体験などができる『無人化施工研修』なども予定している。
ほかの記事はこちらから
【B・C・I 未来図】2021年以前の記事はこちらから
建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら